「迫害について考える」
桜ケ丘キリスト教会協力牧師 野田 秀
今や、人々が戦争の現実をスマホやテレビの画面で
見る時代になった。「21世紀にこんなことがあるの
ですか」と言った人があるが、戦争とそれに伴う悲惨
な現実は、昔から今に至るまで少しも変わりはないの
である。
悲しいことであるが、人間の歴史は「しいたげに、
しいたげを重ね」(エレミヤ9:6 新改訳聖書) て
来た歴史である。記録に残されていない出来事を含め
て、古代から現在に至るまで、一体どれだけの人が理
不尽に虐待され、殺され、抹殺されたことだろうか。
迫害の現実は、私たちの想像をはるかに越えたもので
あるに違いないし、それは世界のあちらこちらで現在
も進行中なのである。
簡単にではあるが、「迫害」について整理をしてみ
たい。
Ⅰ. 迫害を生むもの
人間には、罪の性質が生み出す、異なるものへの憎
悪や反発があり、それが気にいらない不都合な存在に
向けられて行動化するのが迫害である。聖書の中にも
迫害の事実はしっかり記録されている。
Ⅱ. 迫害をする理由
a. 宗教的理由。宗教は、思想や信条においてグル
ープ化するものであり、一般に自分の信じるものこそ
唯一の真理であると主張するので、警戒され迫害され
やすい。
b. 政治的、経済的理由。国家機関や政権にとって
不都合な存在は、迫害され排除されやすい。
c. 一般的理由。学校のいじめに代表されることで
あるが、うっぷん晴らしの材料として、弱い存在に向
けられる迫害もある。
Ⅲ. 迫害の歴史
数えきれない迫害の中で、最も過酷で凄惨なもので
あり“大量虐殺”として記憶されているのは、第二次
世界大戦中にあった、ナチスドイツによるユダヤ人へ
の迫害であろう。当時のユダヤ人人口の3分の2にあ
たる600万人が、強制収容所等において犠牲になっ
たという。
この問題をめぐっては、今もさまざまな角度から
“人間”そのものが問われている。
a. 人間がこれほど冷酷になり得るものかというこ
と。
b. 残虐行為を行った人間が、平時ならば極めて善
良な“ふつうの人”であったということ。
c. 大衆が(知らなかったとしても)こうした暴挙を
肯定し、熱狂的に支持し、あるいは目をつぶっ
ていたこと。
私は当時少年であったが、軍国少年としてこの迫害
者の側に立っていたのだと思うと、忸怩たるものがあ
ることを否定出来ない。
Ⅳ. キリスト教と迫害
このテ-マについては、教会やクリスチャンが、加
害者の側に立つ場合と被害者の側に立つ二つの場合が
あることを述べなければならない。
▽迫害の加害者としてのキリスト教
迫害の歴史をひもとく時、キリスト教会やクリスチ
ャンたちが、迫害の加害者であった事実が少なくない
ということを認めなければならない。
例えば、17世紀にイギリスを中心に起きたピュー
リタンに対する迫害がある。その結果として新大陸に
逃れた人たちが、今度は現地人を迫害し、アフリカか
ら連れて来た人々を奴隷とした事実がある。キリスト
教が背景にあるのにもかかわらずである。
これらの出来事をめぐって考えさせられることがある。
a. クリスチャンも迫害者になり得ること。
b. 教会が立場の異なる教会を迫害することがあること。
c. こうしたことが神の名においてなされていること。
▽迫害の被害者としてのキリスト教
クリチャンや教会に対する迫害が、キリスト教会の
誕生とともに始まったことは、新約聖書に明らかであ
る。使徒の働きやパウロの手紙を読むと、その過酷さ、
すさまじさがどれほどのものであったかが理解出来る
(使徒の働き 7:54~60、Ⅱコリント11:23~
27、へブル11:36,37ほか)。
パウロは次のように言っている。
「キリスト・イエスにあって敬虔に生きようと願う
者はみな、迫害を受けます。」 (Ⅱテモテ3:12)
キリスト教信仰と迫害の関係が明らかにされている
ことばである。少なくとも、パウロの時代において、
キリストに従って生きようと願うならば、迫害を覚悟
しなければならなかったというのである。
このことばが教える“迫害の対象”は、
a. イエス・キリストを信じる者。
b. 敬虔に生きようと願う者。
c. そして例外はないということ、である。
漠然と神を信じるというのではなくキリストを神と
する信仰に生き、ほどほどにではなくいのちがけでキ
リストに従おうとする者は、みな迫害を受けることを
覚悟しなければならないということである。
かつて日本の教会が迫害されたことがなかったわけで
はない。しかし、第二次世界大戦以降、日本のクリスチ
ャンは、平穏のうちに信仰生活を送ることが許されてい
る。そのことを当たり前と思い、漫然と過ごすようであ
ってはならない。私たちも迫害の時代がいつ来てもよい
ように備えていなければならないのである。
(おわり)
2022 年東アジア軍人クリスチャン研修会報告
会長 石川信隆
10月に実施された「東アジア軍人クリスチャン研
修会(Interaction)」の成果を報告します。
1.日時:2022年10月22日(土)1400-1820
2.場所:各自宅パソコンZOOM
3.主催:KMCF(韓国軍人クリスチャンの会)
4.参加者;50 名 9 か国(韓国、台湾、日本、モン
ゴル、キルギス、タジギスタン、カザフスタン、カ
ンボジア、アメリカ、日本(圓林兄、加瀬兄、中野
兄、石川兄の4名)
5.プログラム
1400-1435: 開会礼拝:説教(詩編85:9-13)
韓国軍人主任牧師 Seokhwan Choi大佐
1435-1440: KMCF 紹介ビデオ
1440-1515: Inductive Bible Study(実習)
Rick Ryles 大佐(退役)
1515-1550: Conversational Prayer (実習)
Yongil Son 韓国空軍大佐(現役)
8 つのグループに分かれて実習した。中野兄はAグ
ループのリーダーを務めた。
1550-1605: 休憩
1605-1635: Personal Testimony (実習)
Seong-pyo Hong 韓国空軍大佐(退役)
石川兄は、自分の証しを発表した。
1635-1705: Biblical Leadership (実習)
Kap-Jin Lee 韓国海兵隊中将(退役)
圓林兄は、日本の実情に合わせたLeadership を発
表し、特に現役組に対する祈り会の開催を提案した。
1705-1805: National Report (各国状況報告)
台湾、日本、モンゴル、カザフスタン、キルギス、
タジギスタン、カンボジア、韓国
石川兄は過去および最近のコルネリオ会の実情を
発表し、2029 年がエステラ・フィンチの軍人伝道義
会開始(1899 年)以来 130 周年になるので、
Vision2029 と名付け、130 周年記念行事を行うこと
を提案した。モンゴルMCFの急成長に驚嘆した。
1805-1808: Prayer (全員で祈った。日本はモンゴ
ルのために祈った。)
1808-1820: 閉会式:修了書授与、閉会挨拶
(東アジア会長Andrew Tzeng)
閉会の祈り(Kap-Jin,Lee 元中将)
6.所見
良かった。
中野兄:東アジア軍人はみな英語が母国語でないの
に、良く話すのに感心した(特に韓国軍人)。アメリカ
のCarlson Tavenner 少佐とは沖縄で一緒だった。
加瀬兄:最初から聖霊に満たされ大変恵まれた大会
であった。予め資料が配布され、準備ができてとても
圓林兄:初めて参加したが、このように ZOOM で大会
に参加できたのは有意義であった。
石川兄:KMCF(現役組)と MSO (退役組)が共同で
良く準備され、特に軍人牧師のメッセージに感動した。
以上
下桑谷宣教師召天
長年、コルネリオ会で奉仕してこられた下桑谷浩
(しもくわやひろし)宣教師が宣教地のブラジルアリ
アンサにて2022年8月11日に召天されました。
89歳でした。
下桑谷兄は、陸上自衛隊に入隊。夜間を利用してカベ
ナント神学校で学び、働きながら東京キリスト伝道館副
牧師を10年間勤めながら、1986年(昭和61年)
53歳で自衛隊を定年退官。1989年(平成元年)サ
ンパウロから西へ600キロの農業地帯にある日系人移
住地アリアンサのアリアンサ教会に招聘されて赴任され、
ブラジル日系人伝道の働きに当たられました。
牧会伝道、冠婚葬祭のほか、日本語教育、星野富弘展
の開催、音楽の普及等精力的にあたられました。
特にアリアンサに所在する弓場農場の会場を借りて
岸義紘サクソフォンコンサート、工藤篤子地中海ソプ
ラノコンサート、森祐理コンサート(2回開催)等も
行われました。
また、下桑谷牧師はこの地で何人もの日本人の若者を
預かり見てこられました。この地で悩み、苦しみから解
放され、学校や社会に復帰したり、献身したり、宣教師
になり再びアリアンサの地に来て伝道に従事している方
もいます。下桑谷牧師は、「私は底知れぬ魅力を持つブ
ラジルの大地(この大地は私を包み込んでくれる母なる
大地であり、はたらくエネルギーを与えてくれる大地で
もある。)そして貧しさを感じさせない人々、私のよう
な者でも喜んで受け入れ働かせてもらえるブラジルに少
なからず心惹かれている。」と言われていました。
33年に及ぶブラジルアリアンサでの宣教活動、そし
て最後まで宣教地を離れられなかった下桑谷宣教師の献
身的なお働きに敬意を表しますとともに、長年にわたり
日本でご主人を支えてこられた玲子様にも御礼申し上げ
ます。さらに、これまでのコルネリオ会例会、大会にも
帰国の度に参加くださいました。様々なご奉仕や心温ま
る交わりに心から感謝いたします。 (編集子)
夫を天に送って
下桑谷 玲子
8月10日深夜に夫 下桑谷浩が天国に旅立ちまし
た。ブラジルアリアンサでの宣教活動は33年3カ月
の孤軍奮闘でした。89歳3カ月の生涯でした。
6月半ばに誤嚥性肺炎で入院しましたが2週間で退
院したとの連絡が入り、その段階で声が出ず、鼻から
のチューブによる経管栄養とのことでした。
時が近づいていると思い、委ねながら祈っておりまし
たが、8月6日に再入院し、意識が戻らないまま11日
未明に亡くなったと連絡が来ました。しかし、最善を尽
くして下さる主を信じる事ができる穏やかな、平安な時
間でした。
夫の葬儀は、コロナのため全面的にアリアンサ教会
の皆さまにお願いしました。言葉に尽くせない心遣い
により、動画で葬儀の一部を送信してくださいました。
IT時代の凄さを実感し感謝に溢れ御名を崇めました。
9月半ばにアメリカの長女夫婦と三女夫婦がサンパウ
ロで合流してアリアンサに行き、葬儀後の手続き、教会
員や周辺のお世話になった皆様への挨拶、住まいの片付
けをして遺灰と共に9月26日に無事帰国しました。
家族の為に教会の皆様が記念会をしてくださり娘達も
現地の方達の温かい受け入れに主の御業を感じたようで
す。20数年前に訪問していたので、弓場農場の方達と
の懐かしい再会も感慨深いものがあったようです。
遺灰は夫が好んだアリアンサ教会のイツペーの木の根
元とクリスチャンアカデミーの為に与えられた大地に三
分の一ずつ撒き、三分の一がわが家に帰ってきました。
日本での死亡手続きはなかなか進みませんが、親族
へのけじめをつけるため、11月13日(日)に下桑
谷浩を偲ぶ記念会を母教会の東京キリスト伝道館でさ
せて頂きました。
また、与えられた大地はアリアンサ教会に帰属し献
身者を通して繋がるようにお願いしてあります。
私自身は、夫が長い道のりをよく頑張ってくれたと
思っております。今は義の冠をいただいてホッとして
知古の方々と再会していると信じております。お疲れ
様でした、あっぱれです。今年与えられていた御言葉
はつぎのような御言葉でした。
「すべての営みには時がある」伝道3:1
「主はあなたに告げられた。人よ、何が良いことなの
か、主があなたに何を求めておられるのかを。それは、
ただ公正を行い、誠実を愛し、へりくだって、あなた
の神とともに歩むことではないか。」ミカ6:8
「味わい 見つめよ。主がいつくしみ深い方であるこ
とを。幸いなことよ 主に身を避ける人は」詩篇34:8
夫の召天を通じ、あらためて主の摂理による導きに
畏れを覚えております。コルネリオ会の皆様からの多
大な支援とお祈りに改めて感謝とお礼を申し上げます。
(おわり)
月例会動画の案内
コルネリオ会月例会における牧師先生らのメッセー
ジをコルネリオ会(JMCF)ホームページにアップ
しております。毎回様々な視点から信仰の糧となるテ
ーマでメッセージをいただいております。見逃された
方、興味のある方は是非ご覧ください。
https://jmcf.xrea.jp/index.html
7月 「キリスト者の希望」
~試練に真正面から向き合う時~
日本同盟基督教団 希望聖書教会牧師 安藤能成
8月 「主を待ち望み新しく力を得る」
~デボーションの必要性~
牛込キリスト教会牧師 佐藤順
9月 「戦争反対で戦争は防げない」 〜ウクライナ戦争からキリスト者が学ぶべきこと〜
ソルティ主筆・麗澤大学客員教授 西岡力
10月 「わたしを愛していますか」
~復活されたイエス様による導き~
馬橋キリスト教会牧師 瀬在道晴
11月 「愛が豊かになるために」
~「知識」と「識別力」を身につける~
日本イエス・キリスト教団 京都信愛教会牧師 大頭眞一
献金感謝(2022.7.1-2022.10.31)
皆様の献金を心から感謝します。
常盤一崇、清水幸子、圓林栄喜・さゆり、吉田靖、
在原繁・津紀子、大頭眞一、山口陽一、加瀬典文、
今市宗雄、宮田皓旦、海野幹郎、後藤孝良、
静内新生キリスト教会、手束正昭、及川雅道、
白井徹哉、荻原洋聡、八木信如、石井克直、康田洋子、
桧原菜都子、長橋和彦、瀬在道晴、廣田具之
献金振込先は次のどちらでも結構です。
郵便振替口座:00130-3-87577(コルネリオ会)
銀行振込口座:三菱UFJ銀行 和光支店 店番505
口座番号0385701 ジェーエムシーエフ ナガハマタカユキ
下桑谷宣教師のブラジルアリアンサでの活動の状況
をコルネリオ会ニュースレターでまとめております。
こちらもホームページに掲載しておりますので、興
味のある方は是非ご覧ください。
「ブラジル・アリアンサ宣教の過去・現在・未来」
NL130号(2012.8)~132号(2013.4)
(編集子)